2013年01月12日

唐突で無意味な殺戮こそゾンビ映画

「ドーン・オブ・ザ・デッド」は日本では「ゾンビ」として公開された
79年のジョージ・A・ロメロ監督作を大予算でリメイクした
スプラッタ・ホラー映画である。

原作となった作品との大きな違いは、登場するゾンビの量が段違い
である点が一番だろう。

ビルの屋上に篭城した主人公たちが下にいるゾンビたちの大軍勢を
見下ろしながら、たまに趣味的に撃ち殺したりして、ヒマをつぶす
描写はいかにもゾンビ映画らしい退廃感に満ちていて悪くない。

はす向かいのビルに住んでいる別の人間とメッセージボードのサインで
コミュニケーションをとる場面など、牧歌的で不気味な展開が
なかなか笑える。

一番爆笑をさそうのは、ゾンビを殺そうとしてチェーンソーを
持ち出した男が電源をいれた瞬間に乗っていた自動車が横転し、
一緒に乗っていた恋人を間違って切り刻んでしまう場面だろう。